養育費は離婚前にちゃんと話し合うことが大切!
養育費とは子どもが離婚後に離れて暮らす親から受けるべき権利のことです。
親は扶養義務として子どもに支払う義務があり生活保持義務と言われ、離れて暮らす親は自己と同等の生活レベルを子どもにもさせなければならない義務があります。
しかし、驚くことに養育費の支払率は2割にも満たないと言われているのが現状であり、その背景には、養育費の取り決めがなくても離婚届は受理されるので、離婚を急ぐあまりにちゃんと取り決めをしないまま別れてしまったり、取り決めをきめても親権をとれなかった親が責任を放棄したりと責任感のない親が多いことがあると言われています。
でも分かって欲しいことは、養育費は単なるお金ではなく離婚で離れてしまった子どもが親から愛されている証と言われています。
それを考えると親の身勝手で放棄してしまっていいものではなく、親には子どもの権利を守ってあげるという義務があると言うことを忘れないようにしましょう。
養育費の相場って幾らなの??
養育費の取り決めは多くは子どもが満20歳になるまでの毎月養育費(生活費・教育費)を扶養能力に応じて分担して負担することになっています。
大抵の場合「普通は満20歳まで」とアドバイスを受けることがあると思いますが、子どもの将来のことを考え必要な期間の取り決めを行うことが大切ですので、満20歳にこだわらず「大学卒業まで」等と子どもの教育の将来に合わせて取り決めることも自由となっています。
だからこそちゃんと両親で話し合って決めることが望ましいと言われています。
そして、金額についても「1人2万から3万円が平均金額」等と様々な情報があると思いますが、養育費は両親それぞれの年収によって金額が変わってきますし、大切なことは養育費はあくまでも我が子のために両親が協力して養育していくのに必要な金額であるということです。
そして、養育費の取り決めには時効はありませんので、裏を返せば万が一離婚時に感情的になってしまい養育費の取り決めをしないまま離婚してしまった場合でも、子どもが満20歳に達するまでは扶養される権利があるのでいつでも取り決めをすることが出来ますし、離婚後14年経ってから調停をして養育費を取り決めたという例もあります。
養育費の金額は変更可能!!
1度取り決めた養育費は変更が出来ないものと思われていますが、状況の変化に合わせて減額や増額の条件変更が可能です。
離婚後の養育費の変更には事情変更の原則(民法880条)が適用され、協議又は審判で変更や取り消しを求める事が出来ると明記されています。
子どもが成長すると学費は増加しますし、両親それぞれの就職、転職、失業等による年収の増減が生じることも考えられますので双方が現在の状況に合わせて無理のない金額でベストを尽くすことが大切です。
そして、払えなくなったからと逃げ隠れすることは親としても人間としても最低の行為だと思いますので、養育費はただ単に金額を取り決めるのではなく、子どものことを考えてちゃんと話し合っておくことが大切だと思います。
養育費の取り決めは公正証書等で残すことが大切!
ある統計によると、離婚母子家庭のうち養育費の取り決めをしている世帯は全体の約38%と言われています。
これは日本の離婚は9割が協議離婚となっているため、お互いにちゃんと養育費の取り決めをしないまま離婚してしまうことが原因だと言われています。
そして離婚理由にはパートナーの経済的破綻からくるものも多いので「取り決めをしても無駄だと思った」という人が多いそうですが、そう思わずに、我が子の権利を守る努力は親としておこなったほうがいいと思います。
また養育費の滞納があった場合は直接請求や間接請求によって支払いを強制することも出来ますが、この場合口約束や念書では効力がありません。
そうした点を踏まえ、養育費の取り決めは「債務名義」と言われる公正証書、調停調書、判決書、和解調書で作成することをオススメします。